国会の予算会議についてメディアで報じられる際、その多くが「一般会計」であり、「特別会計」を含めた「純計」が報じられることは少ない。現在13の特別会計が存在しており、一般会計にこれらを含めた国全体の収支を示したものが純計である。

一般会計と特別会計、それらを合算した純計を読み解けば国の財政状況を理解することができる。

 

現在、財務省ではこれらの情報が掲載された冊子「日本の財政関係資料」を日本国内に無料で送付している。その年の一般会計予算を添付して財政の現状を記している他、財政健全化の必要性を説いている。

 

日本は社会保障費の増大に見合う税収を確保できていないこと。給付と負担のバランスが不均衡な状態に陥っており、制度の持続可能性を確保できていないこと。公債に依存した財政規律のもとでは、その支出の中身が長期的な経済成長や将来の受益に資するものなのかチェックが甘くなりやすいことを問題として上げている。

また、将来世代は社会保障費の抑制や増税による税負担を被ることになりかねず、将来世代は自ら決定に関与できなかったことに税負担を求められ、望ましくない再分配が生じることになると警鐘を鳴らしている。

 

こういった冊子以外にも、財務総合政策研究所では研究会の報告書として年金、医療問題に関する論文をネットに掲載しており、年金制度には国民の理解が不可欠であること、従来の人口推計の見通しが甘く年金財政再計算のたびに保険料率を上げざるを得なかった過去を問題として捉えている。

 

財務省は日本の現状を冷静に捉え、様々な問題を把握している。各問題点を指摘した上で、改善に向けた取り組みとともに予算が配分されている。しかし、特に少子高齢化によってもたらされる課題については手探りで進めていく他ない。

 

  

 

 

出典:財務省「財政統計(予算決算等データ)」統計表一覧

https://www.mof.go.jp/policy/budget/reference/statistics/data.htm?utm_source=chatgpt.com

財務省「財政関係パンフレット・教材」

https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition/related_data/index.html